補聴器について

補聴器は目的に応じて選びます。

「価格の安いものから始めよう」「高いものはそれだけ性能がいいに違いない」という話ではなく、補聴器は「目的」に応じて選びます。テレビの音を聞き取りたい。お孫さんとストレスなく会話をしたい。安全に車を運転したい。まずは「聞こえの悩み」を明確にし「その補聴器で悩みが解決できるか」を見極めることが大切です

「耳あな型」と「耳かけ型」。それぞれに良さがあります。

補聴器は、大きく分けて「耳あな型」「耳かけ型」に分けられます。「耳あな型」は耳の穴に入れて使う小型のもの。目立たず、スポーツをするときにも外れにくいのが長所です。短所は大きな音を出力できないことでしたが、最近では大きな音も無理なく出力できるものが増えています。一方、「耳かけ型」はメガネのように耳の上にかけて使うもので、マイクとスピーカーが離れおり、大きな音を出力できるのが長所。高度・重度な難聴の方におすすめです。従来は、スピーカーが補聴器本体に入っているものが主流でしたが、スピーカーだけを耳の中に入れるRICタイプが登場したことで、本体はますます小型化されつつあります

ファッショナブル、かつハイテクな補聴器が増えています。

「耳かけ型」のものにはBluetooth機能を搭載し、テレビ、電話、ラジオなどの音声をダイレクトに耳に届けられるものも登場しています。聞き取る音の範囲を限定する。話し相手がどこにいてもレーダーのように声をキャッチする。風の音を抑え、会話音を際立たせる。こうった機能を備えた補聴器もあります。ほかにも、置くだけで簡単に充電できる「充電タイプの耳かけ型補聴器」も登場。10年ほど前までは「耳あな型」のほうがメジャーでしたが、2016年度には「耳かけ型」が全体の60%を占めるようになりました。これは小さくてファッショナブルな「耳かけ型」が急増しているためです

両耳装用について

補聴器は、両耳に。これが世界の常識です。

自然な聞こえが得られる。騒音下でも聞き取りやすい。音の方向がわかりやすい。片耳装用時より音量を上げなくてすむので疲れにくい。両耳装用のメリットを上げるときりがありません。音の方向性が得やすくなると、道路沿いを歩いているときなどに危険を回避しやすくなります。また両耳装用で、聞こえの範囲が左右同じになると、左右どちらから話しかけられても安心です。実際、両耳装用だとユーザーの満足度が高いというレポート結果(*1)もあります
一方、片耳装用の場合、補聴器をつけていない方の耳は、言葉の聞き取り能力が次第に衰えていく可能性があるというレポート結果(*2)があります。日本では両耳装用は約4割に留まりますが、欧米では両耳装用がマジョリティ。7~8割のユーザーが両耳装用しています(*3)

出典

  1. (*1)補聴器1年間使用後の主観的評価によるデータ(スカンジナビアンオージオロジーより抜粋)
  2. (*2)JAAA 141-149,Vol.6/No,2 Mar.1995
  3. (*3)EuroTrak2012,JapanTrak2015,MarkeTrakⅧ

補聴器の音に慣れるまでには、 2~3カ月がかかります。

補聴器を買ったその日から、理想通りに聞こえだすわけではありません。補聴器に慣れるまでには、ある程度の時間がかかります。少しずつ音量を上げながら耳を慣らしていく。同時に、お客さまの聞こえに合わせた微調整をていねいに。補聴器がある生活が日常になるまでには2~3カ月がかかります

まずは耳鼻咽喉科専門医に相談を。

聞こえの相談は、まずは耳鼻咽喉科専門医に。日本耳鼻咽喉科学会認定の専門医のなかには、難聴者ひとりひとりに適切な補聴器を選ぶ「補聴器相談医」もいます。認定された補聴器相談医は、全国に4000名以上。日本耳鼻咽喉科学会のホームページで検索できます。

補聴器のお手入れ

毎日のメンテナンスが、補聴器を長持ちさせます。

補聴器はデリケートな精密機器。そのため汗や汚れを嫌います。長持ちさせるには毎日しっかりメンテンナンスをして、故障の原因となる汚れを落とすこと。補聴器の表面に付着した汗や汚れは、柔らかい布でやさしくふき取ります。音の出口には、やさしく数回ブラシをかけることで汚れを落とします。このとき補聴器の下からブラシをかけることを忘れずに。上からブラシをかけると、落とした耳あかが中に入り故障の原因となります。

使用しないときは、電池を外して乾燥ケースに。

補聴器を使用しないときは、電池室を開けて乾燥ケースに入れて保管します。補聴器に使われる空気電池は乾燥に弱いため、外しておきましょう。自分でできる日々のお手入れに加えて、専門店での定期的なクリーニングを併用することが、補聴器を長持ちさせる秘訣です